N.T.E.ジャパン・クラブ事務局長が、英国の、日本の、
そして世界のナショナルトラスト活動など、ニュースをお届けします。
2007年5月1日(火)
近年温暖化の影響で、英国でブドウの栽培が可能となり、英国産のワインができるようになったそうです。ひと昔なら、ジョークのようなことが現実となっています。最近の気候変動には、不可思議なことが多いですね。
英国ザ・ナショナル・トラストのフィオナ・レイノルズ理事長も「気候変動を無視することはできません。そのインパクトはすでに感じられつつあり、さらに広範囲になっていくでしょう。気候変動は、今ここにある問題で、すばやく対応することが必要です。」と述べています。
気候変動は、英国ザ・ナショナル・トラストの活動にも影響を与え、将来さらにその影響は強くなってゆくでしょう。例えば、コーンウォール半島にある漁村のプロパティ(保護資産)ボスカースルでの洪水や、ピーター・ラビットの絵本の舞台、湖水地方で発生した小型の竜巻などの個々の出来事が、直接気候変動が原因であるとは必ずしも言えませんでした。しかし、ここ数年間、科学者やデータそのものが伝えることに符合する傾向にあります。
多くの訪問者を受けいれているプロパティでも気候変動が問題となっています。これからの20〜30年間、より暑く雨の少ない夏、雨の多い暖かな冬、より多い大雨を伴う嵐などがふえ、海水面の上昇が予期されます。 さて、これらへの対応はどうすればいいのでしょうか? これからご紹介するプロパティでの事例や出来事は、その影響のいくつかを明らかに示すものです。英国ザ・ナショナル・トラストのアプローチは、大自然に合わせて働きかけ、新たな環境に順応することなのですが、常にその解決法が適しているとはかぎりません。
1.洪水と水濡れの被害。
過去8年間において、英国ザ・ナショナル・トラストは320万ポンド(約7億2千万円)にも達する、嵐と洪水による400件もの損害賠償の請求を起こさざるを得ませんでした。マイナーな損害の求償はしませんので、実際の被害の発生はもっと多いものとなります。
2.生育シーズンの長期化
植物の成長するスピードが大きく変化し、長期化する暖かい生育シーズンは、英国ザ・ナショナル・トラストにとって重要な意味を持っています。今の気候が合わず滅びる植物、生き残る植物が出たり、ということが起こります。すでに生育期間が長くなることで一年中芝生刈りの必要が生じており、大きな庭園では維持費の増大となって現れています。
3.英国ザ・ナショナル・トラストの海岸線での浸水と侵食
人が立ち入れる海岸線を英国で最も多く所有する英国ザ・ナショナル・トラストは、イングランド、ウェールズおよび北アイルランドのほぼ10%の海岸の維持を行っていま
す。今後75年間に86cm海水面の上昇が予言されており、英国ザ・ナショナル・トラストは、608kmの海岸線で侵食の被害を次ぎの世紀のうちに受けることになるでしょう。すでに、海岸126ヶ所で浸水の危険にさらされています。コーンウォール半島やドーセットではマリオン・ハーバーによる維持を始めました。
英国ザ・ナショナル・トラストは、これらの影響にどう対応するか研究しているところです。しかし、目的を達成するためには、地域の人々、諸団体、そして皆さんひとりひとりからのご協力が必要なのです。
-以上英国ザ・ナショナル・トラスト公式サイトのニュースなどからご紹介。