ミノル・ヤマダ
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事務局長のザ・ナショナル・トラストレポート

N.T.E.ジャパン・クラブ事務局長が、英国の、日本の、
そして世界のナショナルトラスト活動など、ニュースをお届けします。

2006年8月1日(火)

英国ザ・ナショナル・トラストにプロパティとして所有・保護され、
今年で50年目を迎えるバイン館。
その歴史をさらに後世に語り継ぐ新しい試み、
"ミッシングメモリーアピール"がはじまりました。

バイン館画像

THE VYNE, Hampshire (Southern) : CP

英国でもっとも訪問客の多い歴史的建造物のひとつであるバイン館を、英国ザ・ナショナル・トラストが所有・保護してから今年で50年の節目を迎えました。

この館は16世紀初めのチューダー朝時代、ロンドンの西南西約60kmにあるハンプシャー州ベイジングストーク近郊に、富と権力の象徴として建てられたもの。
有名な英国王ヘンリー8世が3度も訪れたことがあるというほど由緒正しく、19世紀の小説家ジェーン・オースティンの代表作『高慢と偏見』は、この館をイメージして書き上げたという興味深いエピソードまで残されています。

シュート家が手に入れ、英国ザ・ナショナル・トラストに寄付するまでの300年間以上、その本宅として住み続けられていました。

「ここは本当に美しいところで、しかもまだ地元の人々でさえ知らない宝物がいっぱいです」と語るのは、プロパティマネージャーのジョナサン・イングラムさん。 今日、バイン館は5世紀に渡り、そこに住んでいた人々の、変化に富んだ嗜好や流行の移り変わりを知ることができる小宇宙のような存在になっています。それは代々のオーナーたちが実際に使っていたものの数々をザ・ナショナル・トラストが大切に守ってきたから。部屋の装飾や家具、什器、油絵など美術コレクションなどが奇跡的に残され、本物だけが持つ素晴らしい世界を形づくっています。

さて、そんなバイン館では、50周年を記念して、長い間修復作業を行ってきたサマーハウスをいよいよ公開します。サマーハウスとは、大邸宅の広大な庭園の中に、夏の日差しを避けるために建てられた別宅。その後の調査で、バイン館のサマーハウスは1630年に建築され、ドーム型の屋根がある庭園内の建造物としては英国最古のものであると判明しました。ただし、今はまだ完全に作業が終わっていないので、中に入るときには簡易ヘルメットをかぶらなければなりません。

ほかにも野鳥が多く住み着いている湿原や、同じく修復中のウォールドガーデンを公開。このガーデン内にある温室で果物や野菜の苗代を整備し、将来ここでとれた野菜をバイン館内にあるレストランで提供する予定です。

また、"ミッシングメモリーアピール"と名付けられた注目すべき試みもスタート。1956年にこの館を取得した前後の資料が整っておらず、ザ・ナショナル・トラストだけで調べるのが困難なことから、地域に住むこの館とゆかりのある人々に協力を呼びかけ、当時の資料を集めようというもの。 招待された人々は、第2次大戦前の頃から1970年代までの期間で、覚えていることを書き残し、写真やバイン館にゆかりのある品、思い出の品を持参。それらをコピーするなどして資料を集め、失われた記憶を再生させようとしています。歴史を、さらに未来へとつないでいく。これって、ザ・ナショナル・トラストならではのユニークなキャンペーンだと思いませんか。

—以上英国ザ・ナショナル・トラスト公式サイトのニュースなどからご紹介。

バイン館画像

THE VYNE, Hampshire (Southern)

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