ミノル・ヤマダ
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事務局長のザ・ナショナル・トラストレポート

N.T.E.ジャパン・クラブ事務局長が、英国の、日本の、
そして世界のナショナルトラスト活動など、ニュースをお届けします。

2006年7月1日(土)

寄付と一攫千金の一石二鳥!?
英国式富くじ、ラッフルは当たらなくても満足度が高いって本当?

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英国ザ・ナショナル・トラストが所有し、維持保護しているノーフォーク州最大級のカントリー・ハウス、ブリックリング・ホールに、体の不自由な方が駐車場から本館へ移動するための電動式バギーが置かれました。さてさて、その費用はどんな風に捻出されているのでしょうか。

政府から直接の資金提供を受けず、みずから資金獲得を行っている英国最大の非政府組織(NPO)、英国ザ・ナショナル・トラスト。その活動資金はなんと年間300万ポンド(約660億)におよびます。しっかりとした活動を続けるには、あの手この手の資金繰りが必要。そこで今回は英国ザ・ナショナル・トラストの資金獲得のひとつ、ラッフルにスポットを当ててご紹介します。

ラッフルとは日本で言うところの富くじ。番号が打たれたチケットを買い、時期がくれば当選番号が発表されて、お金や賞品が当たるシステムです。企業の現物支給の寄付など、結構お値打ちの賞品がもらえることもあり、英国では一般的な人気くじです。実は、英国のNPOが活動資金を得るためにラッフル販売するのはよくあること。英国ザ・ナショナル・トラストでは各プロパティが主体となり、年間で3種類のラッフルを発売しています。

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まずひとつめは"プロパティ・ラッフル"です。プロパティとは、英国ザ・ナショナル・トラストが所有・維持している歴史的建造物や庭などのこと。これまでに何度も登場していますから、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
ラッフルは特定のプロパティで販売されますが、その売り上げは販売したプロパティのプロジェクトでのみ使われます。その総額は2005年だけでなんと約42万ポンド (約9千200万円)を越えています。 前述のブリックリング・ホールのバギーやデボン州のカースル・ドロゴのドール・ハウスの修復などに使われました。

ふたつめは"メンバーズ・ラッフル"と言って、販売は英国ザ・ナショナル・トラストの会員限定。寄付した同額を、英国ザ・ナショナル・トラストの本部が支援する「マッチングギフト」制度が取り入れられています。昨年の実績は100万ポンド(約2億2千万円)です。

そして去年からスタートした"ウインター・メンバーズ・ラッフル"。購入は過去3年間に英国ザ・ナショナル・トラストに参加した人々に限られ、冬場オープンしている約40ヵ所のプロパティで発売されました。結果、約44万ポンド(約9千700万円)の資金を得ています。

これら3つのラッフルで昨年に得た資金は合計すると約186万ポンド(4億1千万円)。相当な金額ですが、全体の活動資金から見ると、わずか0.7%にすぎないから驚きです。しかし必要とするところへ必要な額を、決められた対象へその大切さをアピールしながら計画的に行えるのですから、大変効果的な資金獲得策といえるのではないでしょうか。

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