N.T.E.ジャパン・クラブ事務局長が、英国の、日本の、
そして世界のナショナルトラスト活動など、ニュースをお届けします。
2006年4月1日(土)
4月といえば、企業では一般的に新しい年度の始まりです。民間の環境保護団体、英国ザ・ナショナル・トラストも、会社法に基づき設立されたいわゆるNPO(非営利団代)。当然、会計年度を持っており、毎年決算を公表しています。英国ザ・ナショナル・トラストの場合、日本より周期が1ヵ月早く、3月1日から2月末日までが一区切りとなっています。 毎年11月には、340万人の会員の年次会員総会も開かれます。
ナショナルトラスト活動とは、貨幣価値や経済価値など数値ではとらえられない価値を認め、それらを保護していこうという活動であることは、みなさんすでにご存じだと思います。
ところが、その実際をできるだけ客観的に知るためにはどうすればいいのかとなると、やはり数字でということになるのではないでしょうか。
現在、英国ザ・ナショナル・トラストが保護のために所有している土地は2500平方km。神奈川県の面積を超えています。海岸線は、別団体が活躍するスコットランドを除いても1120kmもの長さ。また、その広大な地所には300棟以上の歴史的に重要な建物とその庭園が。ほかにも建物は所有していないものの庭園や広大な地所(私苑)を233ヵ所。建築史上重要な意味を持つ建造物が1000棟。美しい歴史的な町並みを形成する建物群としての村を56ヵ所。37軒のパブ。25棟の水車や風車とその粉引き小屋。そして9つの灯台まで所有し、一般公開しているのです。
もちろん、お屋敷の中にはオーナーのコレクションもあり、様々な様式で統一された家具や調度品、食器や調理器具などをはじめ、10,000点の油絵、500,000冊の書籍など、多くのコレクションが建物とともに残されています。これも英国ザ・ナショナル・トラストの保護活動の特色のひとつです。 有料で公開している建物や庭園へは年間1,300万人が訪問し、無料公開している田園地帯や海岸線には同じく年間5,000万人が訪れています。
ちなみに日本でナショナルトラスト活動が始まったとされるのは、東京オリンピックが開催された1964年、鎌倉で。今年はその年からかぞえて42年目にあたります。
今日、日本のナショナルトラスト活動団体は、連絡組織日本ナショナルトラスト協会によりますと、50数団体が日本各地に根付いた活動を行っており、会員数は各団体の会員を合計すると約16万人、活動対称の保護地は約26平方kmになるとのことです。
これを英国ザ・ナショナル・トラストと単純に比較すると、会員数で4.6%、保護地の面積で2.6%に当たります。これからいかに英国ザ・ナショナル・トラストに近づけるか、期待したいところです。
さて、いかがでしたか。数字のオンパレードでもう疲れましたでしょう。 結局のところ、数字だけでは英国ザ・ナショナル・トラストの規模などは分っても、本当の価値を理解するには不十分ということです。百聞は一見にしかず、英国ザ・ナショナル・トラストの心の故郷とも言われる湖水地方の湖畔で深呼吸をしてみたり、10kmも続く自然の美しい海岸をウオーキングしてみたり、本物の自然と歴史に、直接触れるのが一番ではないでしょうか。
—以上英国ザ・ナショナル・トラスト公式サイトのニュースなどからご紹介。