ミノル・ヤマダ
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事務局長のザ・ナショナル・トラストレポート

N.T.E.ジャパン・クラブ事務局長が、英国の、日本の、
そして世界のナショナルトラスト活動など、ニュースをお届けします。

2006年2月1日(水)

アームストロング卿が作った
魔法の館、クラッグサイドが
ザ・ナショナル・トラストによって
新しい命を吹き込まれる。

魔法の館に新たな命を・・・などというとあやかしの世界の話かと思われるかもしれませんが、しかし半分は本当なのです。
クラッグサイドはスコットランドとの国境近くにある巨大なカントリー・ハウス。ビクトリア時代の鉄鋼王、ウィリアム・アームストロングが15年の歳月をかけ、1884年に完成させた部屋数100(10ではありません、念のため)の本宅です。ちなみに幕末の最終兵器“アームストロング砲"は彼の名前に由来しています。

クラッグサイド

さて、この館が“魔法の館"といわれる所以は、その数々の素晴らしい仕掛けから。世界初の電気照明や白熱球、水力発電装置や自動回転のロースターなど、当時の最新テクノロジーがたくさん備えられています。
しかし、しばらくの間、この仕掛けを見ることができなくなってしまいました。それはクラッグサイドが新しく生まれ変わるために閉館されるからです。

英国ザ・ナショナル・トラストは、今後5年間で600万ポンド(約13億円)をかけ、アームストロング卿が600ヘクタールもの地所に張り巡らせた水利のための鉄パイプ網など、クラッグサイドの重要な特色を修復する計画を発表しました。

ザ・ナショナル・トラストが保護しているほとんどの建造物は、シーズン・オフの冬場には閉館し、状態を守るために床や家具を休ませています。
クラッグサイドは修復に備えて、例年より早く10月に閉鎖。家具や什器、美術工芸のコレクション、書籍などは箱詰めされ、慎重に保管されました。
また、何千品目にも及ぶ品々にはすべてラベルが貼られ、数えられ、そして記録されています。館自体の工事の終了は2006年12月を予定していますが、そのあとにすべてのアイテムを正確にもとの位置へと戻さなければならないからです。これらの作業には、特別に訓練を受けたボランティアの協力が不可欠なものとなっています。

修復工事中、館の中の仕掛けを見ることはできませんが、広大な庭園はその限りではありません。ビクトリア時代を代表する発明家であり、景観設計の天才でもあったアームストロング卿は、当時世界に名だたるお金持ち。庭もそんじょそこらにあるものとは桁違いです。

例えば、ロック・ガーデンは人の手によって造られたものではヨーロッパ最大の規模。ゴロゴロした岩山には発電用の揚水池を掘り、地域の気象を変えたといわれるぐらいの植林を行って、ハゲ山を鬱蒼とした森へと生まれ変わらせました。また取引先を驚かせるために、谷あいには世界最初の鉄橋を建設。その狙いは今でも十分に果たされています。みなさんもぜひ、クラッグサイドを訪ねてください。庭園への入場料、レストランやショップでの売り上げなどが、この修復費用の一部として活用されますよ。訪れて楽しむだけで、活動に参加したことになるなんて素敵ですよね。

—以上英国ザ・ナショナル・トラスト公式サイトのニュースなどからご紹介。

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