ミノル・ヤマダ
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事務局長のザ・ナショナル・トラストレポート

N.T.E.ジャパン・クラブ事務局長が、英国の、日本の、
そして世界のナショナルトラスト活動など、ニュースをお届けします。

2005年10月1日(土)

美しい海岸を守るために私たちができること。
それはきっと里親のような気持ちで、
やさしく手をさしのべること。

英国は日本と同じ島国。周囲はもちろんすべて海岸になっています。そんな島国で生まれた英国ザ・ナショナル・トラストは、現在つなぎ合わせると960km以上にもなる海岸を所有して保護し、さらに公開しています。

ところが常に人々が行楽のために訪れる海岸を、美しく保つのは大変なこと。調査によれば英国の海岸を汚している最大の原因は、訪れる人々が出すゴミであり、海岸に残されたゴミのほぼ40%がそれにあたるとの結果が出ています。

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今日、海岸のゴミは目障りであるばかりではなく、環境を守る上で大変大きな問題になっています。英国政府はこれらのゴミに対処するため、なんと年間29億円もの経費を支出しています。特に割れたガラスコップや古い注射針などは非常に危険です。釣り糸などからまりやすい紐状のゴミは、世界中で少なくとも144の海洋生物の生存に影響を与えています。

市民活動の本家のような英国。このように政府の力だけでは十分に対応できない問題に登場するのがザ・ナショナル・トラストのようなNGO(非政府組織)です。この分野ではMCS:海岸保護協会(http://www.mcsuk.org/ ※英文のみ)が活躍しています。この団体が1993年に始め、いまや英国中の人々がボランティアとして参加するようになっている活動、それが「ビーチ・ウオッチ」です。

それでは、この「ビーチ・ウオッチ」について詳しくご紹介しましょう。これは環境を守るため、国と企業、そして市民が力を合わせて取り組めるように考えられたアメリカ生まれのシステム。必要な器材は海岸の所有者である国や企業が提供し、実際の清掃は市民がボランティアで行います。スタートから11年目の「ビーチ・ウオッチ・ウイークエンド2004」には3000人以上がボランティアとして参加し、269ヵ所で25万個ものゴミを収集しました。これは海岸線52cmごとに1個のゴミを拾ったということだそう。この活動の場として、今年はザ・ナショナル・トラストが所有している海岸39ヵ所が選ばれ、ボランティアたちの愛の手が差し伸べられることになりました。

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またの名を「アドプト(養子にする)」とも呼ばれているこのシステム。つまり自然環境を自分のこどものように大切にするということ。そんな気持ちがあれば、きっと英国であれ日本であれ、海岸も道路もさらに美しくなることでしょう。いまや国際的な活動になっており、日本でも受け入れられ始めているそうですよ。この「アドプト」も、先輩であるザ・ナショナル・トラストのように、これからの日本にますます必要となっていく活動なのではないでしょうか。

—以上、英国ザ・ナショナル・トラスト公式サイト2005年9月分ニュースなどからご紹介

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