N.T.E.ジャパン・クラブ事務局長が、英国の、日本の、
そして世界のナショナルトラスト活動など、ニュースをお届けします。
2005年8月1日(月)
海辺が恋しい夏を迎えています。ザ・ナショナル・トラストの国、英国も日本と同じ島国。海との縁はきってもきれないものです。この英国が19世紀、世界の海を支配するきっかけになったのがトラファルガー沖で行われた海戦だといわれています。日本で言えば日本海海戦に当たるのでしょうが、それは日本海のそれのちょうど百年前の1805年だったのですから不思議なものです。この海戦は、英国がフランスとスペインの連合艦隊を打ち破ったもので、その後、第一次世界大戦まで、世界中の海は英国のものといっても過言ではありませんでした
というわけで、今年はそんな英国の歴史にとって重要なトラファルガー海戦の200周年。もちろんザ・ナショナル・トラストのプロパティにも、この海戦にゆかりのあるプロパティがあります。それがアングルシー・アビーです。大学街のケンブリッジから東北東へ約10km。40ヘクタールの敷地を持つ元修道院のこのカントリー・ハウスは、オーナーであったフェアヘブン卿によって、1966年ザ・ナショナル・トラストに寄贈されました。フェアヘブン卿は大変な収集家で、いまでもアングルシー・アビーには彼が集めた数々の貴重なコレクションが残されています。オーナーのコレクションをその建物とともに守っているなんて、さすがザ・ナショナル・トラストですねえ。
プロパティ・マネージャーのフィリップ・ワーナー氏いわく「イングランド生まれの父親から、フェアヘブン卿は伝統に対する愛情を引き継いでおり、特に軍事に関するものが大好きだったようです。その中に"トラファルガーの花瓶"が3つ含まれています。これらはロンドンの銀器メーカーが有名な彫刻家のデザインで66点作ったもののうちの3つなのです。」この66点の花瓶が"トラファルガーの花瓶"と呼ばれ、トラファルガー海戦を勝利に導いた勇気と技、そして船乗り魂を持った将校たちに贈られたものだったのです。アングルシー・アビーにあるものは、フリゲート艦シリウス号のプローズ艦長ほか2名に贈られたもの。記録によればこのシリウス号はネルソン提督率いる艦隊の"目"と呼ばれ、大変重要な役割を果たしたとのことです。
このフェアヘブン卿の"トラファルガーの花瓶"を含む、銀器や海に関する書物のコレクションは、館が冬休みに入る2005年10月30日(日)までの間、特別に展覧されています。クロード・ロランの絵画など、通常展示されているフェアヘブン卿のその他のコレクションの数々とともにお楽しみください。そうそう、敷地内の水車小屋は第1と第2土曜日に動かされ、実際粉を挽くのを見ることができるそうです。
—以上、英国ザ・ナショナル・トラスト公式サイトの"events & exhibitions" より紹介