N.T.E.ジャパン・クラブ事務局長が、英国の、日本の、
そして世界のナショナルトラスト活動など、ニュースをお届けします。
2005年7月1日(金)
英国ザ・ナショナル・トラストのプロパティ=保護資産は本来のあるべき姿が守られています。「しかるべきものが、しかるべきところに」という方針がナショナルトラスト活動の特徴なのです。例えば、ビクトリア時代のお屋敷にアンテナはダメということになり、外からは見えないところに設置されています。
そんなわけで、ザ・ナショナル・トラストのプロパティは映画のロケに最適。例えば、『眺めのいい部屋』はケント州のエメッツ・ガーデン。バッキンガムシャー州の広大なストウ・ランドスケープ・ガーデンではスピルバーグ監督の『レイダース 失われた聖櫃(アーク)』や007シリーズの最近の作品。グロースターシャー州のカントリー・ハウス、ディラム・パークではカズオ・イシグロ原作の『日の名残り』。アカデミー受賞作品で、エマ・トンプソン主演の『いつか晴れた日に』は南西イングランドにあるモンタキュート・ハウスやモンペッソン・ハウス。それぞれ、いろいろな物語の場所として登場しています。そのほか、『嵐が丘』、『十二夜』、『エマ』などなどにロケ地を提供。ザ・ナショナル・トラストがいかに良い環境を守っているか、よくお分かりいただけることでしょう。
さて、そのような銀幕に登場するザ・ナショナル・トラストのプロパティの予告編としては、公開が待たれるハリー・ポッター・シリーズの4作目『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』があります。このシリーズ最新作は11月に封切られるのですが、「観客にアシュリッジの森にある最も古い木のうちの1本を見ることができるチャンスを与える(ザ・ナショナル・トラスト・マガジン05年夏号)」ことになるのだそうです。アシュリッジの森は、ロンドンの北西約50kmにある東京ドームが420も入る広大なザ・ナショナル・トラストのプロパティです。ここはN.T.E.ジャパン・クラブが支援していた、日本からの環境ボランティア派遣先のベースキャンプがあったところでもあります。

ところで、「ハリー・ポッター」シリーズ、すでにウィルトシャー州のレイコック・アビーが第1作の『ハリー・ポッターと賢者の石』で"ホグワーツ魔法学校"として登場。多くの人々がそれを目当てに訪れています。ところが、この中世の修道院を改築した館、レイコック・アビーがビクトリア時代、ネガ・ポジのフィルムでの写真技術を発明したフォックス・タルボットの住まいでもあったことは、意外にも知られていません。ザ・ナショナル・トラストへは1944年、彼の子孫によって寄贈され、そのままの状態で残されています。そんな逸話を持つ館が、写真が進歩した"映画"というものに登場しているというエピソードを知れば、レイコック・アビー訪問への興味もさらに増すというものではないでしょうか。
—以上、英国ザ・ナショナル・トラスト公式サイトからご紹介。