National Trust

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Property プロパティ

vol.06


New Colection 2018 春夏コレクションのテーマプロパティを訪ねて
ナショナル・トラスト2018春夏コレクションの舞台 北アイルランドの世界的名園と瀟洒な邸宅を訪ねる
世界的に知られるマウント・スチュワートのイタリアンガーデン。

世界的に知られるマウント・スチュワートのイタリアンガーデン。
 ©National Trust Images/James Dobson

 英国の豊かな田園文化を感じさせる、ナチュラルなテイストが魅力のブランド「ナショナル・トラスト・コレクション」。その商品づくりは、英国の慈善団体、ナショナル・トラストが守り伝える庭園や邸宅、美しい自然から、インスピレーションを得ています。
 
 2018年の春夏コレクションでは、北アイルランドの3つのプロパティに注目。世界的名園「マウント・スチュワート」の花々にあふれるカントリーガーデン、瀟洒な邸宅「アルゴリー」の室内装飾に見られる幾何学模様、そして、「フローレンス・コート」の優美な天井レリーフが、春夏を彩る商品のデザインモチーフに取り入れられています。日本ではあまり知られていない北アイルランドの、魅力あふれる舞台を訪ねましょう。


コッツウォルズの至宝「ヒドコート・マナー・ガーデン」の美しさに触れる

 北アイルランド、ストラングフォード・ラークの入り江に面して、世界で十指に数えられる名園「マウント・スチュワート」はあります。イタリア風、スペイン風、アイルランド神話がモチーフなど、それぞれにテーマを持った美しい庭は、屋敷の女主人であった、第7代ロンドンデリー侯爵夫人のイーディスによって、1920年代に作られました。イーディスは政治家の夫、チャールズを支えて社交界で活躍し、また、庭づくりや文才など、多彩な才能に恵まれた人物でした。


 侯爵夫人は、その豊かな芸術性を発揮して、かつて旅した国々の庭や、大好きなアイルランドの神話をモチーフに、独創的な庭を次々とデザインしました。回廊のような生け垣や、ユニークなトピアリー、そして、暖流のもたらす温暖な気候のおかげで育てられる、世界中から集めた珍しい植物が、この庭園を特別なものにしています。

侯爵夫人の大好きだった草花が植わるサンクン・ガーデン。

©National Trust Images/Andrew Butler

侯爵夫人の大好きだった草花が植わるサンクン・ガーデン。

侯爵夫人が愛したユリと、アイルランド神話がテーマのシャムロック・ガーデン。

Both images:©National Trust Images/Andrew Butler

侯爵夫人が愛したユリと、アイルランド神話がテーマの
シャムロック・ガーデン。


©National Trust Images/Naomi Goggin


 侯爵夫人は草花の美しい組み合わせを見つけることが大好きで、香りの良い花、特にユリとセイヨウシャクナゲがお気に入りだったと言います。春夏コレクションの軽やかな帽子やパラソル、ソックスには、そんな、侯爵夫人の愛したカントリーガーデンの花々があしらわれています。


コッツウォルズの至宝「ヒドコート・マナー・ガーデン」の美しさに触れる name=

 アルゴリーは、ブラックウォーター川のほとりに建つ、石造りの瀟洒な屋敷です。200年ほど前に、地主階級で法廷弁護士を務めたウォルター・マクゲオフ=ボンドのために、ダブリンの建築家、アーサーとジョンのウィリアムソン兄弟によって建てられました。この兄弟については詳しい記録が残されていないものの、屋敷自体は、ギリシャやローマの古典様式を洗練させた、新古典主義建築の傑作として知られています。

森に囲まれるアルゴリーの屋敷。応接間には紫檀製のグランドピアノが。</p>

left: ©National Trust Images/John Millar
Right: ©National Trust Images/Andreas von Einsiedel

森に囲まれるアルゴリーの屋敷。
応接間には紫檀製のグランドピアノが。


印象的なデザインのらせん階段と、凝った模様を描くガーデンゲート。

Left: ©National Trust Images/Andreas von Einsiedel
Right:©National Trust / Andrew Patterson

印象的なデザインのらせん階段と、凝った模様を描くガーデンゲート。


 屋敷内は、1979年の、ナショナル・トラストに寄贈された時のままに保存され、スタンウェイ社の優美なグランドピアノが置かれた応接間や、真ちゅうの手すりが美しいらせん階段など、歴史あるインテリアを見て回ることができます。さまざまな装飾品や、そこに施された、手の込んだ幾何学模様から、当時の豊かな暮らしぶりが感じられます。地所内では、ローズガーデンや、セイヨウシナノキの立ち並ぶ川辺で、散策も楽しめます。

コッツウォルズの至宝「ヒドコート・マナー・ガーデン」の美しさに触れる name=

 アイルランドに残る重要なジョージ王朝様式の屋敷、フローレンス・コートは、18世紀半ばに、地主階級のジョン・コール卿によって築かれました。建物の記録がなく、詳しくはわかっていませんが、その後、エニスキレン伯爵の爵位を受けた子孫によって増改築され、1972年まで歴代の伯爵の住まいとして使われました。屋敷の名前は、コール卿が愛妻フローレンスの名から付けたと言われています。

ニスキレン伯爵の住まいだったフローレンス・コート。

left: ©National Trust Images/John Millar
Right: ©National Trust Images/Chris Lacey

エニスキレン伯爵の住まいだったフローレンス・コート。


繊細な細工が美しい、ベネチアン・ルームの天井レリーフ。

Left: ©National Trust Images/Andreas von Einsiedel
Right:©National Trust / Andrew Patterson

繊細な細工が美しい、ベネチアン・ルームの天井レリーフ。


 フローレンス・コートを有名にしているのは、ロココ調の優美なしっくい天井です。アイルランド随一と言われる真っ白な天井レリーフは、思わず見とれてしまうほどの繊細な細工。じつは、火災で一度失われたのですが、ナショナル・トラストの修復活動によって、見事によみがえりました。春夏コレクションでは、この美しいレリーフがレース模様となって、薄手のスカーフを縁取ります。


/Masami Hagio /

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